水分補給と肌の保湿

「最近肌がカサついているな」と感じていたら、それは水分補給が正しくできていないかもしれません。

保湿対策というと、スキンケアのイメージがありますが、そもそも体内の水分量が不足していては、肌はカサついてしまいます。スキンケアと同様、水分補給を正しく行う事も、保湿対策において重要です。

今回は、「水分補給と肌の保湿」の関係性について、正しい水分補給の方法について解説します。

体内の水分量を一定に保つ事が大切

性別・年齢・体格によって差はありますが、人の体の約60%は水分でできていると言われています。この体内の水分量が約2%減少するだけで、のどの渇き・食欲不振などの症状が表れます。

生きる上で欠かせない水ですが、年齢を重ねるにつれて体内の水分量は徐々に減少していきます。肌荒れ・シミ・シワなど、肌のトラブルが増えてくるのは、加齢と共に体内の水分量が減少する事が要因の1つです。

肌の細胞は、血液を通して水分・栄養分を取り入れ、代わりに老廃物を排出しています。体内の水分量が不足すると、血液量が減少しドロドロした血液になります。その結果、代謝が悪くなり細胞も新しく生まれ変わることができなくなってしまいます。

体内の水分量を一定に保つ事は、イキイキした肌を作りだし、細胞の若々しさを保つ事に繋がります。

1日2,500mlもの水が失われる

呼吸・尿などの代謝により、人の体は1日約2,500mlもの水が失われると言われています。
この内、皮膚からの蒸発は約600ml。夏は発汗により体内から水分が奪われ、冬は空気の乾燥で水分は失われやすい状態となります。

また、エアコンから出てくる空気は乾燥しているので、冷房・暖房などを使う場合は要注意。保湿クリームで水分の蒸発を防いだり、加湿器を使い室内の湿度を上げたり、肌を乾燥させないように注意しましょう。

利尿作用のある飲み物

コーヒーやお酒を飲むとトイレが近くなる経験はあると思いますが、これが「利尿作用」です。

利尿作用がある飲み物は、体内の老廃物の排出を促進させる効果があります。健康という点では、適切な量を取る事は効果的です。しかし、保湿という点では取り過ぎは、注意が必要。

飲みすぎてしまうと、飲んだ量より多くの水分を尿として体外に排出してしまいます。

【1】カフェインを多く含むもの

コーヒー・紅茶・緑茶などにはカフェインが多く含まれています。カフェインは脳を活性化させたり、眠気を覚ましたりするなど、作業効率アップに効果的です。

主に食後に飲むことが多いこれらの飲み物ですが、水分の少ない食事の後に飲むカフェイン飲料は注意が必要。飲み過ぎると食事で摂り入れた水分より多くの水分を体外に出してしまう可能性があります。

コップ一杯の水を飲み、いつもより十分な水分を補給した方がよいでしょう。

また、ハーブティーや麦茶など、カフェインをあまり含まない飲み物に代えるのも1つの方法です。

【2】アルコール

アルコールもカフェイン同様、利尿作用があります。少量であれば気持ちをリラックスさせたり、気持ちを高揚させたりと良い作用もあります。しかし、飲み過ぎは禁物です。

アルコールは理性を司る大脳新皮質の働きを鈍らせます。そのため、「ほどほどに…」と思っていても、ついつい飲み過ぎてしまいがち。

多量に飲み過ぎると、脱水症になってしまいます。翌朝に、のどがカラカラになっていた経験がある方も多いのではないでしょうか?

睡眠中は水分補給ができません。お酒を飲んだ日は、寝る前に水分補給を忘れずに。

まとめ

「水分補給と肌の保湿」という視点でお伝えしましたが、肌の保湿という点では、スキンケアも大切です。

また、利尿作用のある飲み物は、体内の老廃物の排出を促進させる働きがあるため、美容という観点では効果的かもしれません。

食べ過ぎ・飲み過ぎは不健康の元。「適切な量をバランス良くとる」という事が一番大切です。

参考サイト

厚生労働省『「健康のため水を飲もう」推進運動』